生き物にとって食べることは生きる上で最も重要なことで、そして大きな楽しみでもあります。
鳥の食事について聞かれると、何時間でもお話が出来ます。でもそれを長々と書くと退屈すぎて読み飛ばされてしまうと自信があるので、今回は最低限知っておいていただきたい事をまとめていきます。
□これだけは知っておいてもらいたいこと
(1)栄養不足がとても多い!
日常の診察で、犬や猫で栄養不足で病気になった子はあまり見かけません。でも鳥は2-3割近くが栄養不足、あるいは食事管理の不備が原因となって来院されます。
(2)シード(種)のご飯だけではだめ!
今日のお昼ご飯はカップラーメンにしよっかな。夜は作るのが面倒だからポテトチップスでいいや。ポテトは野菜!カレーは飲み物!
と言っている方がいたら皆さんはどう思われますか?
鳥にシードだけ与えているのは、人に置き換えるとお米しか食べてないのと同じです。日本人は栄養学の知識が諸外国の方々に比べて豊富なので、きっとお分りいただけると思います。鳥の栄養学もちょっとだけ学んでみて下さい。
(3)ご飯の量を決めて与えて!
いくらバランスの良い食事にしても、食べ過ぎは注意です。
たとえばセキセイインコ、だいたい体重は30グラムちょっとです。今ケージの中に入っているご飯の量は何グラムありますか?
100グラムを超えている方も多いと思います。毎日体重の倍以上のご飯が出されていたらどうでしょうか?僕は太る自信があります。注意しましょう。
□主食と副食
一汁三菜ではありませんが、鳥もバランスのとれた食事を取らないといけません。
シードを主食とすると、副食にあたるものとしてカルシウムとビタミンなどがあります。
カルシウム不足になるとあの有名な卵詰まりを引き起こす要因となりますが、じゃあカルシウムを食べてもらえばカルシウム不足にはならないのでしょうか?
実はビタミンが不足しているとカルシウムは吸収することができません。
他にもホルモンの病気を引き起こしたり、呼吸ができなくなったり、足が動かなくなったり、栄養不足は不足しているものによってとても多彩な症状を引き起こします。
主食だけでなく、必ず副食も食べてもらえるよう用意してあげて下さい。
□最後に、そもそも鳥の食性とは?
鳥を飼っている方全員に最低限知っていただきたい事を中心に書いたので、専門用語をできるだけ避けて書かせていただきました。
読んでいただけるよう意識しすぎた結果ちょっと砕けすぎた文章になってしまった感が否めませんので、最後に少しだけ真面目なお話を。
鳥の食性は大きく分けると穀食性、果食性、蜜食性、雑食性の4つに分類されます。そして複数の食性を持つ品種もいます。鳥だからなんとなく草食っぽいから野菜、果物だけを与えるというのは大きな問題を引き起こす可能性があります。
お家にいる品種の鳥の主食は何か、まずはそこから調べてみるといいかもしれませんね。
当院では鳥類の初診の際には必ず食餌についてのお話をしています。
それくらい食餌管理は大切で、奥が深いです。是非一度ご相談ください。
鳥の診れる埼玉県の動物病院、すみか動物病院
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