適切な場所で排泄をしてもらうのは、犬と一緒に暮らす上で最も重要な事の1つです。
悲しい話ですが、海外で動物が保護施設に捨てられてしまう理由でもっとも多いのが、不適切な場所での排泄となっています。悲しい結果にならないよう、むしろ楽しみながらトイレのトレーニングをしていただければと思い書かせていただきます。
・トイレトレーニングの目標の設定
まずは家族で相談して、どこでトイレをさせるのか目標を設定しましょう。
屋外でしてもらうか、屋内でしてもらうか、屋内であったらどの場所でトイレをしてもらうかなどです。
ちなみにもし屋外を選択された場合も、屋内でもできるようにすると良いと思います。屋外だけでしか排泄ができないと、台風や大雪の時にもお散歩に行かないといけないので動物にとってもご家族の方にとっても苦痛になってしまう可能性があります。
今回は屋内での排泄のトイレトレーニングについて書いていきます。
・用意するもの
1,トイレシート
レギュラーサイズやワイドなど、色々な大きさがあります)
2,サークル
トイレシートの他にベッドが置けるくらいの広さがあると使いやすいです。
人がいない時も自宅内を自由に歩ける様にされるかたもいらっしゃると思いますが、トイレトレーニングをする時にはサークルがあるととても便利です。
3,ご褒美
ちゃんとトイレが出来た時のためにオヤツを用意してください。でも動物にとって一番嬉しいのは声をかけて褒めてもらえる事なので、声をかけるのもお忘れなく。
4,強い気持ち強い愛
トイレトレーニングは時間がかかる事も多いです。仕事から疲れて帰ってきたら下の写真の様になっている事も。。我が家も大変でした。愛情をもって頑張りましょう。
・実際のトレーニングの順序
基本的な方針は『褒める』『叱らない』ことです。
1,サークル内で排泄をしてもらう。
まずはサークル内を全てトイレシートで覆ってください。
サークル内にずっと居てもらってもいいし、もしサークル外で排泄をしそうになったらすぐにサークルへ抱きかかえて行っても結構です。
・ちゃんとできた場合
ちゃんとサークル内で排泄ができたら褒めてあげてください。周りにいる人全員で大げさなくらいに褒めてあげると、動物はより喜んでくれると思います。そして褒めると家庭内も明るく楽しくなって、一石二鳥です。
・失敗してしまった場合
まずは動物をどこかに連れていきます(掃除をしている所を見せないためです)
粛々と、心を無にして後片付けをしてください。この時の注意点としては、臭いが残らない様に消臭スプレーなどを使ってしっかりと掃除をしてください。ちょっとでも臭いが残っているとまたそこで排泄をしてしまうリスクが高いです。
また、何度も失敗されてしまうと叱りたくなってしまう気持ちも分からなくはないですが、絶対に叱らないで下さい。叱っても犬はなんで叱られているのか分かりません。せっかく築いてきた信頼関係が崩れてしまう事もあります。
2,サークル内のトイレシートを減らしていく
1枚ずつ減らしていき、最終的に1枚だけにして下さい。
この間も、ちゃんとシートの上で排泄ができたら『褒める』、失敗したら『片付ける』ようにして下さい。
・最後に
トイレを失敗する時には、行動上の問題であることが多いですが、何らかの病気があって失敗している事もあります。特に今まで問題なくできていたのに、急に失敗するようになった場合は一度動物病院を受診された方がいいかもしれません。
具体的にトイレの失敗の原因となる原因を挙げておきます。
□行動学的原因:
不完全なしつけ、マーキング行動、分離不安、認知機能不全、興奮性および服従性の排尿
□病的要因:
変性性(股関節形成不全、骨関節炎、腎不全など)、解剖学的要因(異所性尿管)、代謝性(糖尿病、肝臓病、内分泌疾患など)、腫瘍、尿路疾患(膀胱炎、尿石症)、神経学的(発作、神経性失禁)など
病気が疑われる時はもちろん、どうしてもトイレトレーニングがうまくいかない場合はご相談ください。
当院でもアドバイスは出来ますし、場合によって行動学の専門家をご紹介する事もできます。