今までと大きく環境が変わり、体調を崩しやすい時期になります。
また、お迎えしたご家族にとってもワクチンや狂犬病、フィラリアなど、色々やらなければいけない事もあり、大変な時期です。
少しでもお力になれればと思い、お迎えした時に必要な事をまとめてみました。ちょっと長くなってしまいましたが、参考にしていただけると幸いです。
・まずは環境の変化に慣れてもらう
犬をお迎えをしたら、新しい毎日が始まります。
早く一緒に遊びたい!お散歩に行きたい!そんなかわいがりたい気持ちはとても分かるのですが、ぐっとこらえてまずは環境の変化に慣れさせてあげてください。
お迎えされた犬にとっては、今まで一緒にいた親、動物、場合によっては元の飼い主さんと離れ離れになって寂しい思いをしています。
ストレスをためないために、必要以上にかまったり遊びに誘ったりするのは控えてあげましょう。
また、環境の変化により体調を崩しやすい時期にもなります。最初の健診までに下に書いた注意点を参考に、様子をみてあげてください。
- 元気や食欲、排泄はちゃんとしているかどうか?
- 皮膚を痒がったりしていないか?特に耳や目の周り、目につきにくいお腹など
- 下痢をしたり、吐いてしまったりがないか?
- 夜鳴きなどしないか?
もし変わった様子があれば、早めにご相談ください。
・初めての動物病院!健康診断って何をするの?
お迎えをしてから1週間くらいを目安に、お家の環境に慣れてから1度健診にお越しください。
当院では初めての健診では、
- 身体検査
- 糞便検査(検便)
- 予防などについてのご説明
を行います。
特に糞便検査は寄生虫などの感染症がないか確認するために重要ですので、出来るだけ新鮮なうんち(生み落とされたばかりのうんち)を袋などに入れてお持ちください。検査に使うのはごく少量なので、小指の先くらいの量があれば十分です。
また健診の際にはしつけなど困っていることも、どうぞごお聞きください。
・予防って何を予防するの?必要なの?
一言で言うと、必要です。でもうちの子に限ってそんな...というお気持ちもわかるので、なぜ必要か?についても書かせていただきました。
当院で推奨している予防は、次の4つとなります。
1、混合ワクチン
初年度は2回から3回、接種します。
産まれたばかりの頃は母犬から抗体(病気に対する抵抗する力)をもらっています。その抗体とワクチンが喧嘩をしてしまうため、複数回の摂取が必要となります。
その後は基本的に1年ごとの更新となります。
感染してしまうと治療のすべがない怖い病気もあるので、予防できる病気はしっかり予防していきましょう。
※当院では以下のワクチンが選択できます。選択の仕方は当日獣医師にご相談ください
・6種混合ワクチン:犬ジステンパー、犬伝染性肝炎、犬アデノウイルス、犬パラインフルエンザ、パルボウイルス、コロナウイルス
・8種混合ワクチン:6種混合+犬レプトスピラ(イクテロヘモラジー、カニコーラ)
2、狂犬病予防
生後91日以降の犬は市区町村への登録と、年に1回の狂犬病予防接種が法律で義務付けられています。
狂犬病は現在日本では1957年以降発生していませんが、発生してしまうと致死率100%のとても危険な病気です。また何か災害があった際、避難所へ連れて行く事ができない可能性もあります。大切な家族のために、接種してあげてください。
3、フィラリア予防(時期によります)
フィラリアというのは蚊によって感染が広がっていく感染症です。
5月から12月まで、毎月1回お薬(駆虫薬)を使って予防していきます。予防が不完全な場合、次の年は予防の前に血液検査が必要となりますので、ご注意ください。
※感染した状態でフィラリアの薬を飲むと、一気に死んだ虫が血管に詰まってしまう可能性があります
4、外部寄生虫予防
主にノミやダニの予防となります。ただ痒いだけではなく、アレルギーや外部寄生虫が原因となる感染症を引き起こす可能性があります。
家から出ないからうちの子は大丈夫!という方の場合、うちの実家にいたチワワのお話をいつもしています。
怖がってしまって全く散歩に行かない室内犬でしたが、ノミが感染していました。。人の足などにくっついて、家に持ち込んでしまう事もあります。ご注意ください。
色々と予防しなければいけない事が多くて大変ですが、最近はフィラリア予防と外部寄生虫予防が一緒にできるお薬や、首に液体を垂らすだけのタイプなど、薬屋さんが色々と工夫してくれています。
どの薬がお迎えした子にあっているか、一緒に考えていきましょう。
・避妊、去勢手術はした方がいいの?
望ましくない繁殖を防ぐだけでなく、病気の予防にもなります。しかし、メリットだけではなく太りやすくなるなどのデメリットも多少ありますので、当院では事前に十分説明した上で行なっています。
もし迷われている場合は詳しくご説明しますのでご相談ください。
- 女の子の場合
避妊手術となります。子宮や卵巣の病気、乳腺腫瘍の予防や発情出血の予防などが期待できます。
- 男の子の場合
去勢手術となります。睾丸や前立腺、肛門周囲腺腫などの病気、会陰ヘルニア、男の子特有の荒々しさの改善などが期待できます。
特に最初は考えなくてはいけなくて大変ですが、何か困った事があればお気軽にご相談ください。
埼玉県八潮市大瀬4-35-20
048-915-1677