鳥の健康診断(バードドック)


・鳥の健康診断はなぜ必要?

 1、本当に元気ですか?

鳥類は体調が悪くてもそれを隠す傾向があります。

現在はペットとして一般的な飼い鳥でも、もともと野生化では集団で暮らしていました。そして、肉食獣は生きていくために捕食せざるを得ないですが、その際には弱っている個体を狙います。

そのため、鳥類は食欲がなくても食べるふりをしたり、元気そうなふりをします。

 

 2、早期発見、早期治療!

これは他の動物でもそうですが、どんな病気であっても早めに見つけて早めに治療を行なった方が、治りが早く体の負担も少なくできます。

鳥類の場合、予防医学(ワクチンなど)の研究がまだ進んでいないため、他の動物に比べて特に重要となります。

 

 3、信頼性のある情報の収集

今は情報を得ようとしたら、いくらでも手に入ります。本や詳しい方の口コミ、ネット上にも大量の情報があります。でも、その情報が全て正しいとは限りません。

例えば健康的な生活を送るための基本となる栄養学ですら、まだ発展途上です。私自身が学生の頃に常識的であった事も、今は間違っている事があります。

(※全てが間違っているわけではありません。今でも長年培われてきた先人達の知恵は脱帽する事も多いです)

 

健診の際に現時点で考えられる最良の飼育方法、食餌などの情報を信頼のおける専門家から得るというのも、健診を受ける一つのメリットになるかと思います。

・健診はいつやればいい?

まず鳥さんをお迎えされたら、1度受診をされることをお勧めします。

どのような経緯でお迎えされたかはそれぞれ異なりますが、基本的には他の鳥と一緒にいたと思います。(ペットショップやブリーダーさん、あるいは知り合いの方の家で産まれた場合も)

複数の鳥がいた場合、感染症のリスクが格段に上がります。最初は何も症状もないけれど、ずっとくすぶっていた感染症が換羽の時期や、季節の変わり目などで免疫力が下がった時に出てくる可能性があります。

鳥の診察を毎日行なっていると、『健診で早期に見つけられていたら助かったのに。。』と思ってしまうことも残念ながら度々あります。

 

1度健診を受けた後は、当院では半年おきの健診をお勧めしています。

健診で健康上は問題がなかったとしても、飼育環境の改善や食餌、発情のお話が必要な場合も多いです。特に発情や肥満については、健診で症状の軽いうちに見つけていないと卵詰まりや肝臓病など、取り返しのつかない状況になってしまうこともあります。

 

・健診ってどんな検査をするの?

当院では健康診断を行う際、まず下の3つは基本的に行います。

  • 身体検査

頭の先から爪の先、翼まで広げて全て確認します。もちろん聴診器を使って心臓の音や肺の音も聞きます。

爪が伸びている事も多いので、一緒に爪切りを行う事も多いです。(当院では健診の際の爪切りは無料です)

  • 糞便検査(検便)

当院では直接顕微鏡で見る検査、消化不良がないか染色をして確認する検査(2種類)、寄生虫がいないかの検査の4つを健診では行なっています。

元気そうに見えても検便でひっかかること、結構多いです。

  • そのう検査

そもそも、『そのう』というのは、口と胃の間にあるご飯を貯めておく所です。

口から管を入れて、そのう液という液を採取します。オエっとなってしまいそうですが、大丈夫です。

ばい菌やカビ、原虫、白血球がないかなどを確認していきます。

 

基本は以上の3つですが、他に感染症の遺伝子検査として『PBFD』『オウム病(クラミジア症)』『BFD』などの検査をする事もあります。また、必要に応じてレントゲンや血液検査を行う事もあります。

PBFDなど、全く聞いた事がない方も多いので診察の際にリーフレットを使ってどんな病気か説明をする事もできますので、どうぞお聞きください。

 

鳥も診れる埼玉県の動物病院 すみか動物病院

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